# ジェンダー
# ダイバーシティ

村田晶子氏・森脇健介氏・矢内琴江氏・弓削尚子氏
ジェンダーに関する身近な問題に気づくには
ジェンダーに関する身近な問題に気づくには
株式会社 電通グループ(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:山本 敏博)の社内組織である電通総研(所長:谷 尚樹)と学校法人同志社 同志社大学(所在地:京都府京都市、学長:松岡 敬)のメディア・社会心理学研究分野の池田研究室※(教授:池田 謙一)は、「世界価値観調査」の日本調査(2019年9月実査)に参画し、人々の意識の変化について時系列比較などの分析を行った結果を発表しました。「世界価値観調査」は1981年に開始され、現在およそ100カ国・地域の研究機関が参加している国際的な調査です。今回の諸外国・地域における調査は未完了ですが、日本における調査は昨年完了したため、その結果を先行して発表するものです。結果の概要は以下のとおりです。
注:本調査実施時点では新型コロナウイルスの発生は認識されていなかったため、その影響は反映されておりません。
今回の調査結果からは、人々の意識は大きく変化しているにも関わらず、それが必ずしも社会変革や政治への関心に結びついていないことが浮き彫りとなりました。
「人」の意識や行動の変容は、人々が形成する「社会」の質(クオリティ・オブ・ソサエティ)に大きな影響を与えると思われます。日本のみならず世界が直面する社会課題は山積しており、電通総研と同志社大学 池田研究室は今後も、人の意識や行動の変容を把握しながら、望ましい将来像やその実現のシナリオを探索する「クオリティ・オブ・ソサエティ」の活動を推進してまいります。
クオリティ・オブ・ソサエティについて
https://institute.dentsu.com/about/
前回調査の2010年からの9年間で大きく変化したのが「仕事」や「働く」ことの意識であり、「働くことがあまり大切でなくなる」ことを「良いこと」「気にしない」とする答えが倍増しました。それと連動するように「人生を自由に動かせる」と感じる人も増え、若年層ほどその比率が高くなりました。また、ダイバーシティを尊重する意識については、同性愛やジェンダー意識などの回答から、多様性が尊重される方向に大きく変化したことがわかりました。
他の意識が変化する中でも、初回調査から高水準を維持する幸福度と生活満足度は、今回も同水準で、前回調査から微増となりました。一方、生活レベルの意識については「中」の比率は変わっていないものの、「上」と「下」の双方が少しずつ増加してきています。
「日本文化や伝統的価値観」への意識は引き続き高く、自国の価値観を大切にしながら世界との協調・歩み寄りを望む意識が明らかになりました。「政治への関心」の高まりは見られませんでした。
◎レポ ート詳細はこちらからご参照ください。
人々の価値観変容とクオリティ・オブ・ソサエティの行くえ.pdf
◎プレスリリースはこちらをご参照ください。
「世界価値観調査2019」 日本結果発表プレスリリース.pdf
世界価値観調査
世界のおよそ100ヵ国・地域の研究機関が参画する国際プロジェクトで、同一の調査票に基づき、各国・地域に在住する18歳以上男女1,000サンプル程度の回収を基本とした個人対象の意識調査です。対象分野は政治観、経済観、労働観、教育観、宗教観、家族観など約90問190項目という広範囲に及びます。初回調査は1981年に行い、以降1990年、1995年、2000年、2005年、2010年、2019年と計7回実施し、電通総研は第2回の1990年からこのプロジェクトに参画しています。
※:池田研究室について
組織名:同志社大学 社会学部 メディア学科 池田謙一研究室
代表者:教授 池田 謙一
研究内容:メディアコミュニケーション、政治社会心理学の再構成、社会のリアリティの社会心理学的研究
URL:http://www.ikeken-lab.jp/
本調査内容に関する問合せ先
電通総研 担当:山﨑、日塔、中川
E-mail: d-ii@dentsu.co.jp
URL: https://institute.dentsu.com
2020年1月、世界価値観調査協会の会長Christian W Haerpfer 氏が電通総研に来訪され、谷所長とこれまでの取り組みに関する情報共有や、今後の活動方針について対談いたしました。
(中右)世界価値観調査協会会長 Christian W Haerpfer 氏
(中左)世界価値観調査協会事務局長 Kseniya Kizilova 氏
(左)電通総研所長 谷尚樹
(右)電通総研チーフ・プロデューサー 山﨑聖子