電通総研

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クオリティ・オブ・ソサエティ指標 第2回調査
DXへの期待と課題
2021.12.21

# クオリティ・オブ・ソサエティ

# デジタル・トランスフォーメーション

# QoS指標

# 社会の健康診断


電通総研は、2021年10月、全国12,000名を対象に「クオリティ・オブ・ソサエティ指標 第2回調査」を実施いたしました。
「クオリティ・オブ・ソサエティ指標」は、サステナブルで将来に希望をもてる社会に向けて、人びとの実感と課題を探るために、「社会の質」に関わる40以上の設問項目をベースにして、電通総研が独自に作成した指標です。

2021年5月に実施した第1回調査と同一の質問に加え、今後の社会変革へ向けて有効な手段の1つとされているDX(デジタル・トランスフォーメーション)に関する設問項目を追加し、人びとの意識の変化などを明らかにしました。
本稿では、第2回調査の結果の一部をご紹介いたします。

「クオリティ・オブ・ソサエティ指標」は第1回調査の記事内でも詳しくご紹介しています。
https://institute.dentsu.com/articles/2102/



1.生活や社会についての「実感」

「日本には余力がある」23.0%、「日本には希望がある」35.8%、「日本には不安がない(安心)」20.3%

2021年5月に実施した第1回調査と比べて、「日本には余力がある」(+1.7ポイント)、「日本には希望がある」(+3.5ポイント)、「日本には不安がない(安心)」(+5.3ポイント)となり、「余力」「希望」「安心」のスコアはそれぞれ微増しました。

生活や社会についての「実感」
生活や社会についての「実感」


2.DX有効感

DXの有効性は、人びとの意識レベルではすでに認められ始めている?

第2回調査では、DXに対する人びとの意識をより具体的に把握する目的で、設問項目を追加しました。その結果、「デジタル化によって、住む場所の選択肢が広がっている」62.9%、「デジタル化によって、働き方の選択肢が広がっている」71.7%、「デジタル化によって、大雨や台風、地震など自然災害に関する情報を受け取りやすくなっている」84.5%など、多くの人がDXの有効性を実感していることがわかりました。

また「10年後はどうなっていると思いますか」という設問では、「デジタル化によって、日本政府や自治体の行政手続が効率化している」(現在)40.8%-(10年後)65.7%、「デジタル化によって、必要な医療が、必要な人に届くようになっている」(現在)42.9%-(10年後)67.3%など、大半の設問で有効性の高まりを期待していることがうかがえました。

一方で「デジタル化によって、教育機会が拡大し、不平等が解消されている」(現在)29.3%-(10年後)45.5%は、現在の実感よりも10年後の期待が上回っていますが、半数には届かず、「デジタル化によって、人間性が損なわれていない」(現在)42.0%-(10年後)38.9%については、現在の実感も10年後の期待も半数に届いていないことに加え、現在の実感よりも10年後の期待が低くなっています。これらについての意識の推移を注視してまいりたいと思います。

DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感
DX有効感


調査結果からの考察

今回の「クオリティ・オブ・ソサエティ指標 第2回調査」では、第1回調査を実施した2021年5月時点と比べ、「余力がある」「希望がある」「不安がない(安心)」と回答した人の割合が微増となり、コロナ危機についての不安が若干和らいできたことが推測されます。

また、多くの人がDXによる社会の変化をポジティブに受け止めていることがわかりました。

2021年12月には、経済協力開発機構(OECD)が「対日経済審査報告書」の中で、DXの最大限の推進・活用を提言しました。日本社会において、これからますますDXの進み具合や有効性に注目が集まることが予測されます。そうした中で、日本社会のDX推進にあたっては、「教育機会の平等」や「人間性重視」の視点とともに、DXは目的ではなく社会変革の手段であることや、サイバー攻撃のリスクが高まりつつあることなども、視野に入れておく必要があると考えます。

電通総研は、今後もDXをはじめとするさまざまな社会課題についての人びとの意識変化に注目しながら、「クオリティ・オブ・ソサエティ指標」を継続し、サステナブルで将来に希望をもてる社会を実現するためのヒントを探ってまいりたいと思います。

「クオリティ・オブ・ソサエティ指標 第2回調査レポート(サマリー)」はこちらからご覧いただけます。
クオリティ・オブ・ソサエティ指標 第2回調査レポート(サマリー).pdf

※この他、性・年代・地域別や、項目間相互の関連性を分析したレポートもご用意しております。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



調査概要

●クオリティ・オブ・ソサエティ指標
調査時期 :第1回 2021年5月6日~10日
      第2回 2021年10月15日~19日
調査方法 :インターネット調査
対象地域 :全国
対象者  :18~79歳の男女 ※高校生を含む
サンプル数:各12,000名(都道府県×性年代の人口構成比に合わせて回収)
業種排除 :なし
調査会社 :株式会社電通マクロミルインサイト
※調査結果の各割合は回答者の実数に基づき算出し四捨五入で表記しているため、各割合の単純合算数値が必ずしも100%にならない場合があります。
※クオリティ・オブ・ソサエティ指標(各12,000サンプル)の標本サイズの誤差幅は、信頼区間95%とし、誤差値が最大となる50%の回答スコアで計算すると約±1.3となります。2時点の差が±1.3ポイント以上あるものは、有意な差があるとみなされます。

本調査内容に関する問い合わせ先

電通総研 担当:山﨑、吉田、日塔、馬籠
E-mail:d-ii@dentsu.co.jp
URL:https://institute.dentsu.com

Text by 吉田 考貴



吉田考貴 よしだ・こうき

電通総研アソシエイト・プロデューサー

1981年宮崎県日向市生まれ。2017年株式会社電通九州に入社、プロモーションデザイン局に所属。2020年2月より電通総研。主な活動テーマは少子高齢、人口減少社会における「地域」や「教育」のあり方。

1981年宮崎県日向市生まれ。2017年株式会社電通九州に入社、プロモーションデザイン局に所属。2020年2月より電通総研。主な活動テーマは少子高齢、人口減少社会における「地域」や「教育」のあり方。